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「 嘘が落ちる場所 」

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嘘が落ちる場所

2011.05.19 Thursday 13:32

気付いたら寝ぼけながら書いてたのっく。
勘くくです。正確に言うと雷←鉢←久々←尾です。わーお(棒読み)。
実はそろそろのっくが15本近くいってたりするんです。このペースでいくと今年中に100本いくのかな? え? 無理? ですよねー。

こっからは折りたたんだ先の小説と全く関係のない話。昨日の美坂の苦悩話(笑うとこ)。
最近、某カードアニメにはまってます。アニメっつーかラジオに汚染されてるというか。
公式でキャストが「僕と○○ちゃんがいちゃつくラジオです!」と公言してたから何かもう別に色々いいんじゃないかと思い始めてきた。(1つのラジオで2つのラジオ番組があるんだけど)もう1個の方のラジオで主人公とヒロインと+αがヒロイン対決やってたし。にこにこで声優無法地帯ってタグがついてたけど本当その通りだと思うんだ。
あのラジオの行きつく先が何処なのか超不安。いいぞもっとやれ←
その内漫画は買っているかもしれない。殆ど病気なんじゃないかなと自分で思ってます。でもカードは買わない。カード買うならゲーム買うよ。出るか分からんけど。キャストは凄く推してたけど。
無双3Zがなかなか届かないからこんな惨事に(責任転嫁)。
最近ちょっと刺激が足りないという方にはお勧めかもしれません。勃ち♂立ちヴァン。
昨日友人に思いっきり勧めたんだけど聴いてくれる気配がありません。聴けよ。そして私と同じ想いを味わい、ここまで堕ちてくるといい! 公式が病気なラジオ、お勧めです。
そんなアニメは、主人公がヒロイン(中の人談)で、主人公のアホ毛が櫂君センサー(中の人談)で、イメージしろが合言葉(本当です)で、ウィッシュの人がカードのCMやってるそんなアニメです。

お前は時々息をするように嘘をつく、と言ったのは数十年人生の先輩で、五年間の恩師である担任教師だった。忍びとしては適性だろうが、お前自身はどう思っているのか、と問われたものだから、いつものように笑った。

「別にいいんじゃないですか?誰も傷つかないんだから」

教師は尚も何かを言いたそうな顔をしていたが、やがていつもの仏頂面に戻り嘆息した。


勘右衛門がつく嘘は誰かを傷つける嘘ではなかった。最も分かりやすい例と言えばやはりおべっかだ。全く心にも思っていない賛辞を次々と並び立てる。それこそ本当に、息をするように自然と言っていた。悪気はない。ただ口が勝手に動くだけだ。
その特技は任務ではとても役に立った。無意識の嘘を見破れるものは少ない。余程勘がよくなければ分からない。
それを唯一見抜いてしまう人物がいた。それは学園きっての変装名人。ある意味全身を嘘で覆っているその男は、勘右衛門の同類だった。だからその同類を、同室者である友人が気に入っているらしいことに気づいた時は本当に驚いた。口には出さなかったけれど。

今日もまた友人の視線はあの同類の姿をおう。まるで双子のようにそっくりな友人二人の仲睦まじい様子を見てはこっそりため息をつくのだ。

「もう止めなよ」

ふと、これまた無意識に言っていた。友人は驚いたように振り返る。何の話?と首を傾げて惚け、頬に冷たい汗を流す。
気づかれていないと本気で思っていたの だろうか。彼の一番近くにいたのは他の誰でもない勘右衛門だ。友人が熱く見つめる先の姿に、ましてやその熱の意味に、気づかないわけがないではないか。

「あいつの特別が誰かなんて、分かりきったことじゃない」
「……勘ちゃん」

困ったように眉を寄せ、どこかしょげたような友人をぎゅうと抱き込む。突然のことに驚いた友人は体を固くしたが、それにつけこむように更にぎゅうぎゅうと抱きつく。逃がさないように。

「叶いっこないのに、どうしてあいつを好きでいるの?」
「………」

友人は沈黙したままこつん、と額を勘右衛門の肩に当てた。さわりと舞ったぬばたまの髪が背中で揺れる。参っているのだ、彼も。報われない想いを抱えていると知っているから。

「ねぇ、兵助。俺にしなよ。俺なら兵助をこんな風に悲しませたりはしないから」

あながち嘘をついているわけではなかった。本当に、勘右衛門は5年間ずっと一緒にいた友人を少なからず好いていたのだ。だから彼があの同類を気に入っていることに余計にやきもきしていた。
少し心臓を高鳴らせ、無言の時にひたすら堪える、と、ぷっと小さく吹き出す音が聞こえた。どういうことだ。一瞬の内に頭の中が真っ白になる。混乱している。

「勘右衛門は相変わらず面白い冗談を言うな」

冗談。冗談だと思っているのか、この天然は。反論しようと思ったが、できなかった。髪と同じ色の瞳が、じっとこちらを見上げていたからだ。

「お前は嘘がうまいけれど、慰めようとしてくれたのは嬉しいから、今のは聞かなかったことにするよ」

困惑する勘右衛門を他所に、友人はするりと腕の中をすり抜けてしまった。
嘘。冗談。そんな言葉が頭の中をぐるぐると回る。冗談は度々口にすることはあったけれど、彼に対して嘘を言ったことは殆どないし、無意識で嘘を言う癖も知 られているはずはない。けれど、どうやら彼はそれを知っていたらしい。勘右衛門が彼の一番近くにいたように、彼もまた勘右衛門の一番近くにいたのだ。だか ら見透かされていたのだろうか。そしてそのことを、彼はあえて黙っていたと言うのか。
自分が息をするように嘘をつけるような人間だから、本当の想いさえ信じてもらえないと言うことか。これが数々の嘘に対する報いなのか。
嘘じゃないんだと言ったら、彼はいったいどんな顔をするだろうか。想像するのも怖くて、口に出すなんて以ての外だ。臆病なのだ。だから嘘で自分を守る。そのせいで本当の気持ちさえ伝えられない。言葉にしても相手の心に響かない。
そんな事実がすごく哀しくて苦しくて悔しかったけれど、勘右衛門はいつものようににこにこと笑った。彼が腕から抜け出してから、殆ど時間は経っていないから、彼が不信がる暇もない。それでいい。もう、それだけで。

「じゃ、食いっぱぐれる前に食堂に行こうか」
「うん」

今までだってそうだったんだ。進展はしないけれど後退もしない。それだけが取り残された選択肢のように思えた。
だからまた息をするように、言葉を並べ続ける。誰も傷つけない、自分の心にだけ何かを降り積もらせる言葉を。







――――――――――
勘ちゃんは嘘が上手そうだなぁと思って出来た話。勘くくも好きです。
もし本気なんだと強く訴えかけたら、何でそんなことを言うのかと久々知さんは泣いちゃいそうだなと思ってます。あ、この話に限ってですが。その後は最悪のバッドエンドか普通のハッピーエンドかのどちらかでしょう。
私の書くどの話でも根本のところに、他人が自分を好きになるわけがないと思い込んでいる兵助がいるので、こういう話が多かったりするのかなぁと思ったり。鉢くくの場合はちょっと違うんだけど。
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