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「 タイトルは焔(仮)だったはず 」

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タイトルは焔(仮)だったはず

2011.06.11 Saturday 00:31

何だかんだで1ヶ月かけてプロット作ったオリジ小説。
携帯小説の中でマイブームな王道学園ストーリーの脇役主人公もの。総受けと見せて実は全然そうじゃなくて、プロットの段階でも最終的に個別ルートが3,4本くらいしか作れなくてビックリしたよ。
とりあえずプロローグ。数溜まってきたらその内サイト内でぽこっと別館作るはず。分からん。
プロローグだけどプロローグじゃないよな、と結末まで頭にある人間は思いました。

Q.何でオリジだよ
A.最近オリジしか書いてなかった。

Q.何故曝したし
A.更新できなくてむしゃくしゃしてやった。


 町外れの廃工場。そこが彼らの城だった。工場内を埋め尽くすほどの人で賑わうその最奥に、城の主は坐していた。電光がまばらである工場内でもひときわ目立つ白い髪。目元を覆う仮面の奥で爛々と輝く瞳は赤。いわゆるアルビノである男が作ったグループ。彼のための城。彼のための兵隊。それが『アルビノ』。

「別に俺は組織だなんだって興味はないんだけどね」

 男は肩をすくめる。工場内がざわついたのも一瞬。再び男が話始めようとすれば、皆が息を呑みその一挙手一投足に注目する。

「誰かさんが俺を王様にしたいらしくて。ねぇ?」

 瞳を細め、男は傍らに立つ長身の少年を見た。視線を受けた少年は瞳を細める。

「貴方にはその器があります。俺は貴方のその器に惚れたのです。当然でしょう」

「まあ、ハルの言うことも尤もだろう。俺もその点には同意だ。ハルに同意するなんて吐き気がするけどな」

「……シン。それを貴方に言われたくはありません」

 ハルと呼ばれた少年は、目の前の男を睨みつけた。そんな二人のやり取りを妨害するように、ふわりと小柄な少年が割り込む。

「はいはーい、そこまでー。ハルもシンもピリピリしちゃってさー。今は身内で争う時じゃないでしょー?」

「…………チッ」

 シンは舌打ちするとハルと、割り込んできた少年――ミヤから目を逸らした。三人のやり取りを見ていた男はくつりと喉の奥で笑う。

「さて。それで? 何処を攻めるつもりなの? ハル」

「やる気だね、焔」

 ぽんと男の肩に手をおいたのは、場違いな程やわらかい雰囲気に身を包む青年だった。焔と呼ばれた男は気安く触れてきた男に怒るでもなく、微笑を浮かべる。

「当然だ、ミオ。やるからには徹底的に、ね? 俺はそういう性格なの」

「頼もしいよ。まったく」

 澪はその口調とは裏腹に楽しそうにくすくすと笑って身を引いた。その場所へと、闇の中からひとつの影が現れる。

「では、カナリアはいかがでしょう」

「な!?」

「シナ……」

「うわぁ、いつもながら突然出てくるねー君」

「それがシナだからねぇ」

 焔以外の四人それぞれの反応に目をくれるでもなく、シナは真っ直ぐ焔を見据えた。

「俺は常に焔の傍に在ります」

「はいはい。で、カナリアって?」

 しかし焔は慣れているのかそれを軽く流し、ハルへと視線を向ける。ハルはひとつ頷くと口を開いた。

「この地区では我々とほぼ同格の力を有するグループです。カナとリアの兄弟のツイントップです。確かに、シナが言う通り一気にここいらを制圧するなら、カナリアを潰すのが一番でしょう」

「勝算はある?」

「あるよー。ボクとハルの作戦通りにシン達が動けばねー」

「……焔のためならば、どんな命令でも受け入れる」

「必要であるならば、我が身も焔のために」

 アルビノ幹部それぞれの言葉に焔は笑みを深くした。

「どうする? 焔」

 少し離れたところから訊ねたミオは、けれどもう答えは知っているようでもあった。

「勿論。狩ろう。さあ、楽しいショーの始まりだよ」

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